40代後半に初めて太陽の塔を間近で見た。 小学生時代に大阪万博の洗礼を受けたボクだが、開催以来40年経ってようやく実物を見れたのだ。

万博記念公園駅 から太陽の塔が見たときには、叫び声を挙げ小躍りしてしまった 。本当に感激だった。

駅を出て太陽の塔に近づくにつれ、思った以上の巨大さと異常な形状に圧倒されていった。そして、この「圧倒される」というのが、とても楽しい感覚だったことを初めて知ったのだ。

太陽の塔が造られた大阪万博が開催された1970年、ボクは小学校2年生だった。

当時、実家の経済状態は決して良いとはいえず、 「大阪まで遊びに行くなんて到底無理だ」ということをボクも解っていたので、 一度「ダメだ」と父親に言われると、 それ以上ねだることはしなかった。本当はとても行きたかったのだけど・・・。

行きたかったなぁ大阪万博・・

そんなボクに母親は万博の本を買ってくれた。赤塚不二夫氏が監修し、 ニャロメをはじめとした赤塚キャラ達が万博を説明する本だった。

ボクはその本に書かれていた各展示施設の内容を暗記するほど夢中になって読み、 掲載されていた写真を見ながら、万博の絵ばかり描いていた。当時のボクにとってその本は、 夢の世界へと連れて行ってくれる魔法の扉だったのだ。

「ガスパビリオン」

「オーストラリア館」

そんなボクにとって、太陽の塔は「幼少の頃の叶えられなかった夢の象徴」だった。

40代後半に、わざわざ太陽の塔を見に行ったのも、そんなセンチメンタルな感情からなのだが、 実際に太陽の塔の前に立ち見上げてみると、その迫力にボクの甘っちょろい幼少時代の 感情なんか、あっというまに消し飛んでしまったのだ。

これが太陽の塔だ!

どうやら、本当に凄いものには 「センチメンタルなんて相手にもしない力強さ」が備わっているらしい。

それからというもの、心が弱気にまとわりつかれてしまうたびに、 太陽の塔を見に行っている。実にスッキリするんだなぁ。

太陽の塔の法則: 圧倒的な存在感の前ではセンチメンタルなど無意味だ。