【ちっぽけな自尊心を打ち砕いてくれた】

『ワサビ定食』は、刻み海苔をかけたご飯に擦り卸したワサビを乗せて食べるという、言ってみれば「単にワサビでご飯を食べてるだけじゃん」という感じの料理だ。

ボクはかなリの『辛党』を自負していたのだが、初めて食べたときには、一口で本気で暴れだしたくなるくらいの衝撃に襲われてしまい、しばらくの間、まるで昭和のアニメのように、ジタバタしたり悶えていたのを覚えている。

『観光客相手の普通のご当地料理』にこんなにやられてしまったことが、耐えられないくらいショックだったが、逆に『世の中の広さ』を再認識させてくれた料理でもあったのだ。

【負け惜しみの後にようやく理解できた奥深さ】

ブータンでは『唐辛子を野菜代わりに食べる』という風習がある。しかしそんなブータンでも『唐辛子を牛乳で煮て、それにチーズをかけて食べる』と いう食べ方をしているのだ。つまりそれは『唐辛子を使った料理』というわけだ。

しかしこの『ワサビ定食』では『ワサビそのものを、そのまま、ご飯に乗せて食べるだけ』だ。

はたしてこれって『わさびを使った料理』と呼べるのだろうか? ボクはそんな風なことを考えていた。ま、負け惜しみなのだが。。。

しかし徐々にだが、今まで『破壊的にツーンとするだけ』だと思っていた『わさび定食』の辛さの中に、清らかな爽やかさや、ほんのりとした甘さを感じ取れるようになってきたのだから、人間の味覚には恐れ入る。

その後、何度か食べているのだが、食べるたびにこの『味覚の進化』が起こるのだ。 これが楽しくてならない。

ボクはまだ『ワサビ定食』を語りきれるところまで行ってはいないが、いつかはこの世界を完全に自分の中に取り込みたいと思っている。そして、そんな『ワサビ定食』と出会えたことを、ボクは神に感謝しています♪。