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【15.ヤキトンの法則】


ヤキトンというのは串に刺した豚の肉を炭で焼いたものです。ホッピーにとてもよく合います。場所によっては「ヤキトリ」と呼ぶところもありますが、使っているのは鳥ではなく豚です。

もともとは埼玉県の東松山あたりを発祥の地とし、そこから東京に向って東上線沿いや高崎線沿いが「ヤキトン文化圏」なのだと思います。東京の駅で言うと、成増、赤塚、池袋、板橋、十条、赤羽、東十条、王子とまあ、そんなところでしょうか。

B級グルメブームで、若い女性のグループが気軽に入れるコギレイなヤキトン屋も増えてきていますが、 ボクとしては、もうもうと煙がたちこめた焼き場の前で、笑顔を絶やさないんだけど昔は危なそうな人生を送ってきたんだろうと思わせるご主人が串を焼き、無表情無愛想で、おそらく切れたら手に負えないんだろうなあと思わせるようなお兄さんが料理や酒を出してくれるような店がやっぱ好きです。

客同士があまりなれなれしく話をせず、たいていが一人客で、これまた無表情で競馬新聞を読みながらヤキトンを肴にチュウハイやホッピーを呑んでいるというのも重要なポイントです。

そして、ツマミが多いのはマイナスポイントです。ザクザクと切ったキャベツとキムチ程度で十分なのです。

以前、住んでいた場所(東京某所)に、すごく良いヤキトン屋がありました。今でもたまに独りで行ったり、特別に仲良くなった人だけを連れて行ったりしています。今でも最高のヤキトン屋だと思っています。

その店でヤキトンを食べていると、「東京にもこんなに良いヤキトン屋があるのだから、東松山あたりに行けばもっと凄い店があるんだろうなぁ」と思ったりすることもあります、その店にはまったく不満は無いのですが。

ボクは鶴ヶ島近辺によく醤油とか卵を買いにいくのですが、その帰りにちょっと足を伸ばして東松山の本場の焼きとん屋を探そうと思い、ぶらついてみたことがありました。

しかしなんていうか、ボクが見つけて入った数件は、コギレイな服を着た若いグループが仲良く会話しているし、メニューも居酒屋っぽい余計なものまであるし、どうも落ち着かないのです。

まあ、じっくりと探せば汚いおじさんたちが巣くう良い店もあるのでしょうが、その時は残念ながら見つけることはできませんでした。

B級グルメブーム自体は悪いことじゃないし応援したいのですが、それによって、強烈なインパクトを放っていたものが、当たり障りのない食べ物にすりかわってしまうのはちょっとカンベンして欲しいですねぇ。

そのときの東松山探索で感じたのは、東京にあんなに良いヤキトン屋が存在するということに対する東京人の誇りのようなものでしょうか。 しかしその反面、あんなに良い店に通っていたのに「他の場所にはもっといいものがあるのでは」なんて考えていたことを大いに反省してもいます。

思えば、ボクはこれまでの人生でも、「他にもっと良いことがあるのでは」と移り気を出したことで、大切なものを失くし続けてきているのです。うん、大いに反省しています。ヤキトンには人生を省みさせる何かがあるのかもしれない。

ヤキトンの法則:
今ある幸せを最大限に享受することが幸せになる大原則である。



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