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【20.掛け時計の法則】


ボクの実家には掛け時計があった。5時とか6時とか丁度の時刻になると時刻の数だけ「ボーン・ボーン」と鐘のような音がなる時計だ。鳩時計なるシャレたものを壁にかけてあった友人の家もあった。こちらは丁度の時刻になると時計につけられた小窓が開いて、マジックハンドみたいなものにくっついた作り物の鳩が出てきて時刻の数だけ「ポッポ」と鳴くのだ。「ボーン・ボーン」の時計よりブルジョワジー係数が高い雰囲気を醸し出していた。

恐らく独り暮らしの家や部屋には掛け時計はほとんど無いんじゃないかと思う。ベッドの近くに置かれた目覚まし時計だけで十分だろうし、日常の時間を知るのであれば携帯電話やテレビで十分なのだから。

しかしそれゆえ掛け時計があると、その家の「家庭的度」はグーンとアップするような気がする。特に必要ではないが、あると家を暖かくしてくれるものとして一番手軽なのが掛け時計じゃないかなと、最近ふと思った。

ボク自身も独り暮らしを始めて結構経つが、今まで部屋に掛け時計を置いたことはなかった。別に独り暮らしがイヤになったわけではないのだが、冬になるとどうしても身体だけでなく心も冷えてくる。特にボクの部屋にはテレビも無ければおまけに暖房も無い。小高い場所に立つマンションの高層階に住んでいるので、やたら夜景が綺麗なのだが、それが一層孤独感を煽る。しかも暖房が無いので寒いし。。。

ま、寂しくて寒いのであれば、テレビや暖房を買えばいいのだろうが、なにしろボクはヒネクレ者ときている。そういう直接的な問題解決策はどうも気に入らない。そこで掛け時計を買って、それをリビングの壁に掛けてみたのだ。

窓の外には冷え冷えする東京の夜景が見える。その上の壁に派手な数字が書かれた時計が掛かっている。不思議なものだが、本当に掛け時計一つで部屋の雰囲気は変わる。単に寝起きするだけの場所から生活する場所になった感じだ。

暖房が無いので相変わらず寒いのだが、物理的な寒さは登山用のゴアテックス生地のダウンコートで十分に凌げる。ボクはこのダウンコートで今まで何度も真冬の山中泊を乗り越えてきたのだから、なんてことはない。しかも掛け時計のおかげで精神的な温もりまでも得ることができた。そう、ボクの「掛け時計理論」は正しかったのだ。

部屋からは新宿のビル街も池袋のビル街も東京タワーもスカイツリーも一望できる。実に素晴らしい夜景だ。これぞ最高の独り暮らしだと実感する。

ボクはこの夜景を楽しみたいので部屋の窓にはカーテンをつけていない。なので展望は良いのだが夜はとても冷える。うーむ、やっぱり、暖房はあったほうが良いかもしれないなぁ、という考えが頭をよぎるが、しばらくは掛け時計とダウンコートの力だけでなんとかしようと思う。なにしろヒネクレ者なのでね。

掛け時計の法則:
精神的なことが肉体に大きく影響を与える。




50代の法則

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偏執狂の法則
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