ミルクガニは正式和名が「エゾイバラガニ」で、写真でも解る通り「ハサミを除いた足の数が左右3本ずつ(しか見えない)」で、タラバニの仲間であることが解ります。
タラバニは正式には「カニ」ではなく「ヤドカリ」の仲間なのですが、水産業分野では「カニ」として分類されているようですね。ま、そうでしょう、小うるさい「理系オヤジ」でもないかぎり、こいつを「ヤドカリ」だという人は、普通はいないでしょうから。
そして、「イバラ」という名前が付けられているとおり、甲羅には鋭いトゲトゲがついています。
上の写真のヤツは比較的足が長いですが、地元で展示されていたミルクガニは、もう少しズングリとしていて「ザ・ロードウォーリアーズ」でいえば「アニマル」タイプでした♪ 大きさも普通のタラバガニよりちょっと小さめの感じですかね。
このページのタイトルでは「土肥(トイ)に来たなら」と書きましたが、ミルクガニ(エゾイバラガニ)は決して土肥(伊豆半島の西側北部にある漁港がある街です)の特産品ではなく、調べてみると徳島以北の広範囲で捕れるようです。
なので伊豆地方では土肥だけでなく、その北部にある「戸田(ヘタ)」でもミルクガニはよく水揚げされます。というか、普通の感覚だと「伊豆においては、ミルクガニは土肥よりはむしろ戸田の特産品だろう」ということなんでしょうね♪
ボクがたまたま「土肥ではじめてミルクガニの存在を知った」ということから、「ミルクガニ=土肥」というイメージを持ってしまっただけなのかも・・・。とはいえ、土肥漁港近くの料理屋では「ミルクガニ」の看板をチラホラ見ますので、間違いではないでしょう。
写真を見ればわかる通り、火を通すと白っぽい汁が殻からあふれてきますので、理由はわかると思います。また、見た目だけではなく、茹でたり蒸したりするとミルクのような香りが漂ってくるのですよ。
調べてみると、この「ミルクガニ」の俗称は、焼津(駿河湾の西部)の漁師さんたちが付けた名前だとか。となると、「焼津に来たならミルクガニ」と書くべきだったのかな? 今度是非、焼津でミルクガニを堪能したいと思います。
やはり深海に住むカニとしては「タカアシガニ」がいますね。こいつはなによりすさまじく大きく、足を広げると3メートル以上なんてのがザラにいるんですよね。
なので、よく剥製にされて水族館や博物館に飾られているし、足を広げた巨大なタカアシガニを抱えた漁師さんの姿がテレビでもたまに取り上げられているので、知名度はこちらの方が上でしょう。
ただ、食肉部分が少なく、肉が水っぽいということで、味的にはそれほどのものでもない、というのが一般的な評価のようです。
ただ、やはり見た目のインパクトはものすごいですよね! なのでタカアシガニの人気は衰えることはなく、過剰捕獲で近年は生息数も減ってきているのだとか。有名になりすぎるのも考えものです。
じゃあ、ミルクガニの味はどうなんだ? ということですが、後述するように、これは最高の味なんですよ。ま、だもんでホントは教えたくないんです。
じゃあ、なんでそれほど有名じゃないんだ? ということですよね。
通説では、漁獲高がそれほど大きくないからとか、痛むのが早いから市場に出回りにくいから、と言われていますけど、ボク的には、あまりに美味いから、調子こいた都会人に食べさせたくないので敢えて秘密にしている んじゃないかと思っているんですよね。
だもんで、ここで紹介したことで、ボクは「日本ミルクガニ秘密結社」から睨まれてしまうかもしれません・・。
もう少し、ミルクガニについてい書きますと、特記すべきはその生息域が深海域だということ。
ミルクガニは水深800メートルレベルの深海(1000メートル以深の場所にも生息する!)に生息しているらしいのですが、これも実は上の「ミルクガニが有名にならない理由」に関係あるのかもしれません。
だって、深海域というのは通常漁港から遠くに離れた場所にありますよね。くわえて、「ミルクガニは傷みやすいカニ」ということであれば、遠洋漁業で捕ってきて、それを市場に大量に出すのはちょっと厳しそうじゃないですか。
しかし、駿河湾には「駿河トラフ」が南北に走っているため、その部分の深度は大変大きくなっているのですよ。つまり、海岸からわずか数キロで深海域に達することができるので、ミルクガニだけでなく深海生物を捕獲するには最適な場所なのです。
そういうこともあり、「深海が近くにあり、新鮮なミルクガニが手に入りやすい漁港」であり、「東京から近い場所」ということになると、「土肥はミルクガニの産地」である、と言えるのではないでしょうか♪
※ボクは今まで戸田に行くときは、「新東名から伊豆縦貫道に入り終点まで行き、そこから山を越えて土肥につき、そこから北上してやっと戸田」というルートでしたが、さっき、グーグルマップで見ると、「伊豆縦貫道を修善寺で降りてそのまま戸田へ行く」コースの方がちょっと速そうなので、東京から近い場所という条件を入れても、どうやら「ミルクガニは戸田」って感じに思えてきました・・。
いよいよミルクガニの味の説明なのですが、一言でいうと「旨味と甘みが濃厚で、一口食べたら癖になる、幻のカニ」ということでしょうか?(このフレーズは、後述する「歌」にも登場します♪)
上のタイトルの通り、茹でても蒸しても焼いても、それぞれの味を楽しめるのです。なんとなく「焼き」が一番人気のようですが、 これは好みの問題でしょうかねぇ。
残念ながらボクはいつも車でこの地を訪れて昼飯で食べているので、ミルクガニをアテに酒を呑んだことがないのですよ。 近いうちに土肥に宿屋を取り、じっくりと腰を落ち着けて、茹で・蒸し・焼きと、ローテーションを組んでミルクガニ三昧をしてみたいと思います♪
そしたらそのときの様子をまた紹介します!
ボクは以前、伊豆地方の歌を作るのにはまってしまったことがあって、いろんな歌を作っていたのですが、その中で、ミルクガニをテーマにした歌がこれですww
単に「ミルクガニを説明するだけの歌」ですけど、よろしかったら是非、聞いてあげてください。