分かりやすく言えば「ずりあげうどん」というのは「はなまるうどん」における「釜揚げうどん」のようなもので、大きな釜でうどんを茹で、それをそのまま「ゆで汁ごと」どんぶりに盛った料理です。
最初「ずりあげ」という単語を見たときにはなんのことか解らず、恐らく「ずりあげ」とは「ズルい(狡い)」と「あげる(プレゼントする)」をミックスした言葉だろうと考えていました。
つまり「昔、この地には『狡い狐』がいて、頻繁に人の好い農民をだましては、うどんをタダ食いしていた」という民話から生まれたご当地グルメなんだと思っていたのです♪
ま、ちょっと考えれば判ると思いますが、ボクの↑の説は大間違いで、当然「うどんを釜からズリ上げる」から取ったのでしょうねぇ♪
「はなまるうどん」の「釜揚げうどん」が醤油だしのつけ汁につけて食べるのに対し、こちらは「つけ汁の中に、自由にいろんなものを入れて食べる」という「アドベンチャー要素」が取り入れられている、というところが大きな違いです。
これは、消費者の「小さな自己主張」を満たしてあげるという、昨今のマーケティング理論にマッチした戦略で、西武秩父線の芦ヶ久保駅に隣接した道の駅の食堂では結構な人気商品なのですよ。
店内の各テーブルには「ずりあげうどんの食べ方」が書かれたカード(下の写真)が置かれていました。「皆と同じ食べ方をしないと疎外感を覚えてしまう人」にとってはありがたいことなのでしょう♪
しかし「決してうどん入り丼に薬味や醤油を入れてはいけません!」という項目(しかも「!」付き)は、折角のアドベンチャー要素が台無しになってしまいますよねぇ・・。
おそらく「うどんを盛った丼に薬味や醤油を入れられると、食器洗いが大変になる」という「主婦感覚」から来たものなのでしょう。しかし、この手の主婦感覚ってかなり萎えるよなぁ。ま、気持ちはわかりますけど、文言の表現方法についてはもうちょっと考えてくれよんって感じです。
ま、主婦感覚とアドベンチャーとは相容れないということですね。
ずりあげうどんの説明です。ルール通りに決して間違えることなく食べるべしww
うどんを受け取るカウンター脇と各テーブルには写真のように薬味や調味料が並んでいるのですが、これがとてもワクワクさせてくれるのです。
「薬味はスライスしたミョウガと一味唐辛子ぐらいで良いよ」なんて言う「保守派文系さん」もいるかと思いますが、やはり想像力を膨らませ、いろいろチャレンジしてみたいのが「理系おやじ」の心意気ってものですよね!
できればタバスコやチポトレソース、ディジョンマスタード、トマトピューレなんかも置いて欲しいですねぇ。いっそのこと「調味料持参大歓迎」としたらどうでしょう!
スパイの七つ道具みたいに、古今東西、甘酸塩苦の調味料をアタッシュケースにキチンと整理して入れて持ち込む、毎週土曜日の午後に現れる全身黒づくめの男。ボクは、そんな人に本気でなりたいです。
カウンターには写真のような「カレースープ」も置いてありましたが、これがまた美味いのですよ!
うどんをカレースープ単独につけて食べても良いけど、 いろいろな薬味や調味料でごった返したつけ汁にカレースープを入れることで、絶妙な調和が生まれ、ずりあげうどんのフィナーレを飾る最高の味になるというわけです。
このカレースープは小さめの寸胴ひとつ分しかしなく「無くなり次第終了」なので、別椀に最初からあらかじめ取っておくことをおすすめしますねぇ。
実は最初にここ「道の駅あしがくぼ」に行ったのはコロナ前の冬だったのですが、コロナがほぼ開けた2023年初夏に行った時には「カレースープ」が無かったんですよ。
たまたまこの日だけ秩父地方にカレー粉が切れていたので作れなかったのか、調理担当者が「大のインド嫌い」で「カレースープなんてとんでもない」と、調理場からカレー粉を全て捨ててしまったからなのかは判りませんけど・・・。
実際、カレーというのは素晴らしいマネジメント能力の持主なんです。ごま油やミョウガやネギや唐辛子やなんやらかんやらといった個性的なメンバーが、彼(カレー)の参加によってピシッとひとつのチームになってしまうのですからねぇ。最後はカレーのマネジメント能力に感銘し、残ったつゆをのみ干したいので、是非、復活させて欲しいものです。
個性派ぞろいのメンバーをまとめるカレー様は、まさに「大脱走」における「バートレット中隊長」のような存在。
そしてこれがカレー様によって一致団結した後の姿。
ボクが「ずりあげうどん」を体験した「道の駅あきがくぼ」は、なんと言っても「冬季に見られる樹氷」が名物なんです!
以前、コチラにも書いておきましたが、冬季に見に来られることをお勧めしますよ。西部秩父線の「芦ヶ久保駅」からすぐの場所で樹氷が見られ、夜間はライトアップまでされているんですよ!
道の駅からわずかの距離でこんな絶景が見れるのです!