普通の人にとって「ラーメン」と「焼きそば」とは完全に別物の料理ですよね。また「醤油」と「(いわゆる日本でそう呼ばれている)ソース」もまた、日本では対比される調味料なわけです。(「醤油顔」と「ソース顔」という表現のように)
だけど、これらの感覚は全て「偏見」なのですよ。偏見は無知から生まれ、無知は探求に対する臆病さから生じているのです。つまり「ラーメンと焼きそばとを別物と判断すること」や「醤油とソースとは相反するものだと感じること」は、「精神の臆病さ」から生じた考え方なのです!
さあ、勇気を持って未知の扉を開け放しましょう! そうすれば「真実」が見えてきますよ、そう「素晴らしき甘美なる真実」が貴方の目の前に現れてくるはずです♪
簡単に言えば「スープ焼きそば」とは、焼きそばが「ラーメンのスープ」の中に入っている料理です。一見するとラーメンのようにも見えますが、麺はあくまでも「鉄板で焼いてウスターソースで味付けをした焼きそば」なのです。
まずスープをズズっと飲んでみます。まさに醤油ラーメンのスープの味なのです。次に麺をズルっとすすって見ます。すると食べなれたソース味の焼きそばの味がするのです。そしてまた醤油ベースのスープをズズっとすすり、麺をズルっとすする。これを交互に繰り返していくわけです♪
すると徐々に「麺のソース」が「醤油味スープ」の中に染み出してきてスープの味が変っていくですよ。そう、その変化がとても楽しいのです♪ この「醤油とソースのグラデーション」こそ「スープ焼きそば」の醍醐味だったりするのです。
前述したように、日本では醤油とソースとは一般的に相対するものとして認識されていますが、両者は決して相性が悪い間柄ではないはずです。いうなれば「日本の液体調味料の双璧」をなし色も似ているために、ボクたちは無意識のうちに彼らを相容れないライバル関係のように見てしまっていただけなのですよ、きっと。
醤油とソースに対する今までの考えは我々の偏見であったということが、このスープ焼きそばによって証明されたような気がするんですよねぇ。相容れないどころか、食べていくにつれて醤油ベースのスープに徐々にソースが染みこんでいく変化(まさに「グラデーション」)が、今まで味わったことがない感動を与えてくれたのです。
「偏見を捨てよ、変化を楽しめ」この料理はそう語っているようじゃないですか。
お店のご主人によれば、冬は寒さが厳しいため、温まってもらおうと思って、焼きそばを出すときにラーメンのスープに入れてみた、ということでした。 うーん、そういう発想って凄いなぁ。やっぱり新しい文化は一人の天才から生まれてくるということなのでしょうねぇ。
スープ焼きそばは、こんな凄い岩山が見える近くで食べられますよ♪