福島県の夏と言えば断然「桃」です。街道沿いにも直販店が並び、大胆に試食させてくれるんですよ。夏の日差しの中、手で皮を擦り取るようにむいて丸ごとグワシグワシと頬張ると、口の中に甘〜い果汁が溢れ、さらに甘〜い香りに包まれ、「ああ、ボクは夏の福島に来ているんだなぁ」なんて思うわけです♪
そんな夏の福島で購入したのが上の「桃のしそ巻き」なんですが、ちょっと待ってよ、何故、甘〜い桃を紫蘇なんかで巻くんだ?
最初にこれを見つけた時には、「桃と紫蘇との組み合わせ」ということを正直、脳内処理できませんでした。
だけど食べてみてビックリ。甘露煮した桃の甘さが紫蘇の塩辛さや香りと見事に調和していて、「美味しい」という感覚より先に「これは凄い」と唸ってしまったくらいなのですから。「異なるものがここまで見事に融合できるとは!」 そんな驚きでした。
そういえば、ボクが幼い頃(1960年代後半)に母の実家に行った時、祖母が「ヨウカンに紫蘇を巻いて」出してくれることがよくありましたっけ。その頃のボクは紫蘇の味が好きになれず「紫蘇をはがして食べた」のですが、それでも羊羹に残った紫蘇の味がイヤだったのをなんとなく覚えています。
で、あれから約40年経ち、ようやく甘いものと紫蘇とのコンビネーションの「妙」が理解できるようになったということなのでしょうか。 ボクも大人になったものです♪ 今宵はこの「桃しそ巻」を酒のアテにして(結構、合うのだ♪)、今はもういない祖母や祖父との思い出に浸ろうと思います。(2010年夏)