関東地方には味のあるローカル線がいくつかありますが、その中でも母方の実家が秩父地方にあるボクにとっては、真っ先に思い出すのが「秩父鉄道秩父本線」なのです。
秩父本線は、羽生駅から三峰口まで都市部から山間部にかけて実に味のある様々な駅に停車していきますが、その中でも東武東上線と秩父本線との接続駅である「寄居駅」は東京から秩父地方に行く際のターミナル駅であり、幼少の頃のボクにとっては「ここから先は別世界」という特別な駅でした。
そして、母の実家に遊びに行くときは、この寄居駅で立食い蕎麦を食べるのが定番だったので、ボクにとってここの立食い蕎麦は、まだ若かった両親や、母の実家で待っていてくれる大好きな祖父母や叔父叔母達の象徴なのです。
そんなわけで今でも寄居駅で蕎麦を食べると、両親や祖父母・叔父叔母達の優しさに庇護されていた頃の温もりを思い出すんですよねぇ。
先に書いた理由から、ボクは今でもここに来ると「別世界への入り口」に立ったような気分になってしまうのです。言ってみれば、銀河鉄道999で旅立つ鉄郎の心境ですかねぇ。
寄居駅の立食い蕎麦は、立食い蕎麦ファンにとっても結構有名な蕎麦らしいので、興味のある方は是非、脳内で「旅立つ鉄郎気分」を作り上げていただいてから蕎麦をオーダーし食べてみてください。きっと蕎麦の味も格別なものだと感じられるはずですよ。(ボク的には味の濃いこの地方の蕎麦つゆには天玉蕎麦が合うような気がします♪)
寄居駅前の場末感が逆に良いですよね♪
寄居駅の近くにある鉢形城は、長尾景信・忠景の骨肉の争いを発端として築城された、両側を絶壁に囲まれた自然の要塞であり、室町時代から戦国時代にかけて数多くの合戦の舞台となった名城です。
江戸時代以降も宿場町として栄え、歴史のある名宿も残る場所ですが、現在の駅前の風景を見ると、場末感を隠すことができません。ただ、観光客で溢れかえる場所がニガテなワタシとしては、このくらいの方が有難いですね。万が一、ボクが経済的にゆとりができたら、この地の名宿に長期滞在して、小説なんぞ書いてみたいものです。
また、寄居には「日本水(やまとみず)」という名水があります。これは「日本武尊が突き刺した大岩壁から噴出した」といわれる湧き水で、環境百選にも選ばれているとのこと。こちらも寄居のオススメ場所ですねぇ。※日本水の源泉は崖崩れの恐れがあるため現在立ち入り禁止らしいです。安全な採集場所から水を汲みませう!