一人旅ネタ&散歩ネタを紹介|けさらんぱさらん|

●本郷山脈の「東端エッジ」を歩いてきました(池之端近辺編)


ライン

1.本郷山脈と不忍渓谷との境界線

本郷山脈の「東端エッジ」とはこのあたり

本郷山脈とか不忍渓谷とかww

初めに断っておきますが、「本郷山脈」とか「不忍渓谷」というのはボクの造語であって、地質学学会などではまったく通じませんので念のため♪

武蔵野台地の東側にあって、かつて「旧石神井川」が不忍池方面(ここはかつては入江だった)に流れ込んでいた低地を「不忍渓谷」と、その西側にある本郷地区の高台を「本郷山脈」と、ボクが勝手に呼んでいるだけなのですから。

ただ、実際に「不忍通り」を歩いてみると、確かにその西側は山脈のように高台が続いているのが判ると思いますし、「本郷通り」から「不忍通り」の方へ向かう道は、下り坂や、場所によっては階段になっていることが判り、「なるほど、山脈や渓谷に例えるのも判らなくもないなぁ」と感じていただけるのではないかと思いますよ!

この辺の地形をザックリ解説すると

今回歩いたのは「本郷山脈」南端の「東側エッジ」です。高台側には東京大学の広大な敷地が広がり、エッジ部分から低地にかけては、いわゆる「谷根千」と呼ばれる「ちょっと粋な街並み」になっていて、その先は「不忍池」の西側の「池之端」となっています。

この辺りには「忌憚話」や「モノノケ話」が結構残っている古い街にも係わらず、結構イケている街でもあり、さらに遡ること数千年には、なんと「弥生時代」から集落があった場所でもあるのです。ていうか「弥生時代」の「弥生」って、この辺りの町名から付けられたんですよ、知っていましたか?

今回歩いたのはこのルート。「根津駅」から出発して「弥生坂」を上り左折して「暗闇坂」を降り、そこから今度は「無縁坂」を登り「切通坂」に出て道を渡り「湯島天神」に入り、再び「切通坂」を超えて「旧岩崎邸」に立ち寄り、最後は「上野広小路駅」近くの喫茶店で美味いコーヒーを飲んで帰りました。

ライン

2.エッジにはいくつかの共通点がある

高台と低地との境目(ボクは「エッジ」と呼んでいます)には、いくつかの共通点があるのです。

一番わかりやすいのは「古くから神聖な場所として祀られる場合が多い」ということ。こういう場所は見晴らしが良いですから、太古から「神々との交流の場」として使われるケースが多かったでしょう。なので、こういう場所には「古くからある神社」が結構残っていたりするのです。

次が「水が湧き出す場所がある」ということです。これは地質学的な理由からですね。

そして「古墳などの遺跡がある」です。これも最初の理由と同じでしょう。また「伝説などが生まれやすい」というのも、同じ理由でしょう。

そして文化的にも特色があると思います。特に東京の東側には顕著なのですが、高台「山の手」と低地「下町」との境界にあたる場所には、「庶民的」なんだけど「尖がって」いて、だけど、「流行を追いかける軽薄さ」とは一味違う独自の文化が育った街が多いような気がします。

そんなことを考えながら「本郷山脈」の東端エッジを歩いてみました。

ライン

3.エッジを堪能しながら散策する

食べ歩きこそ散歩の醍醐味

根津駅を出てすぐの「言問い通り(弥生坂)との交差点」にあるから揚げ屋さんです。結構有名なお店らしく、何人かのお客さんが既に並んでいました。(にも係わらず、近いうちに閉店するらしいですよ)

ボクは「紅しょうが」「あおさ」「ダシ昆布」をそれぞれ一個ずつ買いました。まさに「食べ歩き」って極楽だなぁ♪ (ボク的には「紅しょうが」がツボだったです)

弥生坂を登る

左の断崖は東京大学校舎へと続いています。高台を切り通して道を作った感じが判ると思います。

この辺りから「弥生時代」の遺跡が発掘されたのです。町名が時代名にもなっているんですよ! 東京出身者としてはなんとなく嬉しい。

暗闇坂を下る

「弥生坂」を登り切るちょい手前を左折する坂道が「暗闇坂」です。江戸時代とかは鬱蒼とした道だったんでしょうか。

竹久夢二美術館で一休み

「暗闇坂」の途中に「竹久夢二美術館」があります。夢二の描く女性は実に良いですよねぇ♪
このあたりから(弥生坂を登り切りそのまま降っていった方向にある)「菊坂」近辺には、文豪や芸術家が集まっていたようです。
「菊坂」方面の散策記事はコチラにあります。

「竹久夢二美術館」に併設されたカフェでカプチーノを飲んで休憩しました。この絵柄、夢二関連のものらしいのですが、ボクはよく判りません・・・。

池之端にたどり着く

「暗闇坂」の北岸を見ると高台を切り通して道を開いたことがよく判ります。

「暗闇坂」を降っていくと「タクシー」がたむろしていました。喫煙所やトイレがあるので、どうやらタクシー運転手さんたちの「憩いの場」となっているようです♪

「暗闇坂」を折り切った辺りです。東大工学部の裏門らしいです。左端に「井戸」があるのが見えますか?

これがその「井戸」。なんと源義経が平泉に逃れるときの旅路で「弁慶が見つけた井戸」らしいです。だけど「見つけた」というぐらいでは伝説としてはチョイと弱いですよね。「弁慶が拳で地面をぶん殴ったら水が噴き出た」ぐらいの伝説にして欲しかった!

井戸の反対側にあった「古本屋」。アナログレコードからの音楽が流れるかなりイケてる古本屋さんなんですよ。ボクはここで「荒俣宏」のそれっぽい本を買いました♪

このあたりは「池之端」という町名で、なるほど道の低地側の先には「不忍池」が広がっていました。池の向こう側が「上野」になります。

無縁坂を登る

「暗闇坂」を降り切った十字路(進行方向)の右奥に「旧岩崎邸庭園」があります。まずは庭園の手前にある「無縁坂」の登っていきます。ここが「さだまさし」が歌っていた「忍ぶ忍ばず」で有名な(w)無縁坂なのです。

「無縁坂」が「旧岩崎邸庭園」を超えた場所で左折して路地に入りました。この路地も結構イケています♪

路地にあるマンションの入り口で「野菜」が販売されていました! なんかこういうの凄く良いなぁ。

路地を抜けると湯島天神が見えてくる

上の路地を抜けると「切通坂(春日通り)」にぶつかります。この道の向こうに見えるのが「湯島天神」、いわずとしれた「学問の神様」を祀った神社です。崖を切り取った道だということが一目瞭然ですよね。

この日は人影もまばらでした。やはり受験シーズンの前後が一番込み合うんでしょうねぇ。

「湯島天神」の「男坂」から見下ろすと、なるほど高台だって判ります。

「男坂」を降り、「切通坂」方面にグルっと回ると「女坂」が見えてきます。こちらはなだらかな階段になっています。

そして旧岩崎邸庭園に行く

再び「切通坂」にでて道を渡り「旧岩崎邸庭園」に入っていきます。ここは「三菱グループの創始者」が住んでいた屋敷跡で、遊び心満点のお屋敷なんですよ♪

こういうデザインのお屋敷って、ホント燃えますよね! 似たようなお屋敷として 以前探索してきた「旧古河庭園」もお薦めです。

右側のロッジ風の建物は「ビリヤード場」です。なんと本館から「地下道」で繋がっているんですよ!! まさに「男の浪漫」です!

コーヒーで〆て散歩終了

散策の最後の寄ったのは「切通坂」を降り切り右折した先にあった「レトロ風味の喫茶店」です。かなり本気の珈琲が実に美味しかったです!

先の「古本屋」で購入したアレっぽい本をツマミに珈琲を味わってきました。アラマタ氏の本は散策のお供には最高ですねぇ♪

ライン

4.根津-池之端には「エッジ・アイテム」てんこ盛り

見つけた銭湯に次は入りたい

上の喫茶店の前の大通りを超えてチョイと行ったところに「燕湯」という銭湯を発見! エッジ近くには「銭湯」が多いというのもボクの持論です。

不忍池は今度ジックリ探索してみたい

不忍池の周りには実に興味深いモノがたくさんありますよね。これは別の機会にジックリと散策したいと思います。