ボクの独断ですがw、福島県の夏と言えば『桃』で決まりです♪
この季節には、街道沿いにも桃の農家直販店が並んで、 結構大胆に試食させてくれたりして、福島県民のフトコロの大きさを感じさせてくれるのですよ。
夏の日差しの中、手で皮を擦り取るようにむいて、丸ごとグワシグワシと頬張ると、口の中があまーい果汁で満たされて、さらに全身までも、あまーい香りに包まれちゃうわけです♪
そんな桃を『紫蘇の葉』で包んだものが上の写真です。
福島の山にトレッキングに行った帰りに偶然見つけたのですが、 正直、最初は『桃と紫蘇との組み合わせ』ということを脳内処理できませんでした。
だけど食べてみてビックリ。 甘露煮した桃の甘さが紫蘇の風味と見事に調和していて、「美味しい」という感覚より先に「これは凄い」と唸ってしまいましたねぇ。
「異なるものがここまで見事に融合できるとは!」という驚きが、ボクの理系魂をMAXに励起させた瞬間でした!
この「桃のしそ巻」は、いわゆる「スウィーツ」なのですが、酒のアテにもピッタリなんです。
ウィスキーには合いそうだというのは、なんとなくイメージしやすいと思うのですが、紫蘇の香りと味が染みわたっているので、冷酒にも合うのですよ、これが。
福島の酒と言えば、ボク的には「会津中将」なんですが♪ こいつとの愛称はバツグンだと思いましたよ。
その他にも、(ボクは「世界各国のジン」をネットで買いあさって試しているのですが)ジンなどのスピリッツにもかなりよく合いますねぇ。
まだ誰も気が付いていないようですが、「梅のしそ巻」は「ジャパニーズ・バーメニュー」なんです!
甘い桃と、辛じょっぱい紫蘇との組み合わせに驚いたボクなのですが、もしかしたらこれって「ボクが都会の食生活になれてしまい、 日本人が紫蘇をこれまでどのように食べてきたかということを 忘れてしまっていたせい」かもしれません。
そんなことを思ったのも、ボクが幼い頃(1960年代後半)、母の実家で祖父母が “ヨウカンに紫蘇を巻いて食べていた” のを思い出したからなのです。
ちょっと前まで、こういう風習は日本にちゃんとあったのですねぇ。
だけど当時のボクは紫蘇の味が嫌いだったのです。 祖母がせっかく巻いてくれた紫蘇をはがしてヨウカンを食べたものでした。 それでもヨウカンに残った紫蘇の味がイヤだったなぁ。 ま、子供というのは、案外「好奇心」や「冒険心」が足りないんですよ。
あれから約40年が経ち、ようやく甘いものと紫蘇とのコンビネーションの 『妙』が理解できるようになったというわけです。 やっぱり、大人の方が人生を楽しめます♪
今宵はこの「桃しそ巻」を「会津中将の冷」のアテにして、 今はもういない祖父母との思い出に浸ろうと思います。(2010年夏)