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●ゼリーじゃないのに「ゼリーフライ」


行田市の郷土料理「フライ」と「ゼリーフライ」

埼玉県の行田市には前回紹介した「フライ」と並んで「ゼリーフライ」という郷土料理があります。

「フライ」と「ゼリーフライ」という似ている名前なのですが、見た目も調理方法も全く異なる料理なのですよ。だったらもっと区別しやすい名前にすれば良いのにと思うのですが、そんな融通の利かない感じ が「上杉、北条、豊臣といった歴代のツワモノ一族と戦をしても決して落城しなかった忍城(おしじょう)のお膝元」らしいなぁって気がしませんか♪

他の地区では全くと言っていいほど知名度が無い(んじゃないかな?)「フライ」と「ゼリーフライ」なんですが、行田市内のスーパーのお惣菜売り場では普通に販売しているんですよ。

こういう「観光客に媚びないスタンス」が「真の郷土料理」のあるべき姿じゃないんですかねぇ。

行田近辺の住人じゃない方は「ゼリーフライ」という名称を聞けば「お菓子のゼリーが入っているの」と思うかもしれないですが、「ゼリーフライ」にはゼリーなんて微塵も入っていないのです。

「じゃあ、ならなんでそんな名前を付けたんだ?」ということになりますよね。ま、その辺をザックリと説明していきたいと思います。

スーパーの惣菜売場で普通に並んでいる「ゼリーフライ」

水城公園の脇に普通に建っている「ゼリーフライ」のお店

ゼリーフライとはこういうものだ

ゼリーフライとは、一口で言えば “オカラを使ったコロッケ” です。オカラに刻んだジャガイモやタマネギ、ニンジンをまぜて小判状にして油で揚げ、それをウスターソースにズボっとくぐらせていただくわけです。

名前の「ゼリー」ですが「銭」が訛ったものなのだとか。形状が「小判」に似ているから最初「銭フライ」と呼ばれていたものが、訛ってゼリーフライになったらいいのです。

日露戦争時、満州(中国東北部と書くべきか)で従軍していた 大澤常八さんという方が考案者 だということが伝えられていて、戦後、彼が故郷 行田に戻ったとき、満州で食べた野菜入りのまんじゅうに似たものを作ろうと試行錯誤のうえ出来上がったのが、このゼリーフライなんだそうですよ。

こういう歴史を聞くとグッときますよね♪

ファーストフード感覚で食べ歩きができるので、行田に行ったらゼリーフライを片手に水城公園で「和亀」を探してみませんか♪