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●老若男女と魑魅魍魎に愛された「丸子のとろろ汁」


旅人が歌人が、そして妖怪が食べた「とろろ汁」

静岡県の丸子にある「丁子屋」というお店で「とろろ汁」を食べてきました。

この店がある丸子(当時は「鞠子」)という土地は古くから宿場町のひとつで、難所である「宇津ノ谷」の手前ということもあり、“「丁子屋」で「とろろ汁」を食べて精をつけてから峠を目指す” というのが当時の流行りだったのだとか。

松尾芭蕉も「梅わかな 丸子の宿の とろろ汁」と詠んでいたり、 十返舎一九の「東海道中膝栗毛」でも、“宿屋の夫婦が喧嘩をして、とろろ汁の入った鉢をこぼしてしまい、ヤジさんキタさんがとろろ汁にありつけなかった” というシーンがでてくるなど、古くから「丸子と言えばとろろ汁」だったようですねぇ。

ちなみに安藤広重の「東海道五十三次」の「鞠子」の版画でも「丁子屋」が描かれ、 “とろろ汁にありつけなかったヤジさんキタさん” に対する愛情なのか、“とろろ汁を食べているヤジさんキタさん風の二人組み” が描かれているのですよ。

また、水木しげる大先生の 「妖怪道五十三次」 では、鬼太郎とネズミ男と思われる二人組み が、「ろくろ首」の売り子が働く店で「とろろ汁」を食べている絵が描かれていましたww。

どうやらこの店は江戸時代の頃から、老若男女、そして魑魅魍魎にも隔たりなく愛されていたようですねぇ。ちなみにボクが「丁子屋」に行った時には、残念ながら「ろくろ首の仲居さん」はいらっしゃいませんでしたけどね♪

それはともかくこの「とろろ汁」。「とろろ芋の味」もさることながら、やはり「出汁」が良いんですよ。これが「麦飯」に合うんです! 近くに来たら是非お試しくださいませ。

「東海道五十三次 鞠子」からの抜粋。ヤジさんキタさんが念願のとろろ汁を食べています♪

「妖怪道五十三次 鞠子」からの抜粋。こちらは鬼太郎とねずみ男が描かれています♪

ここが現在の「丁子屋」さんです。

創業者は「平吉さん」。これ試験に出ますよ♪