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●前橋流ソースカツ丼@西洋亭 市


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1.早稲田ヨーロッパ亭とは全く異なるルーツを持つソースカツ丼

ソースカツ丼に関しては 、一般的には「早稲田のヨーロッパ軒がソースカツ丼の元祖」と言われていますよね。

ただ、コチラの方でも詳しく書いたのですが、 ヨーロッパ軒のソースカツ丼が歴史的は一番古いものだとしても、現在全国に点在するソースカツ丼全てのルーツだというわけではなにのです。

今回は、 群馬県の前橋で独自に開花した「前橋流ソースカツ丼」をちょこっと紹介いたします。

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2.モノのない時代が生んだソースカツ丼

上毛電鉄「中央前橋駅」近くの賑やかな商店街のはずれにある「西洋亭 市」は創業が大正四年という、老舗の洋食屋さんです。

ボクは2006年末に来店したのですが、偶然ご主人の気まぐれで普段より1時間早く夜の営業を始めていたため、他のお客さんががいない間に「この店のソースカツ丼の誕生秘話」についてご主人からじっくりお話を伺う機会を得ることができました!

それによると「西洋亭 市」のソースカツ丼を創案したのは、現在の店主の祖母さんで、戦中−戦後の時期とのなのだとか。物が無い時代であり、卵とじカツ丼を調理しようにも卵が手に入らず、なんとか別の方法でと試行錯誤した結果、現在のソースカツ丼を創作されたとのことでした。

先に書いた ヨーロッパ軒(現在は福井で営業中)のソースカツ丼はドイツ料理を日本風にアレンジしたものでしたので、カツも複数の薄く細長い肉を用い、衣もいわゆる日本風カツ丼のそれとは異なりますが、一方「西洋亭 市」のソースカツ丼のカツは円形に叩き伸ばした一枚の肉で、衣は日本風なのです。これら二つのカツ丼はどちらも個性的でどちらも独立したルーツを持つ料理なんですよ!

外観はレトロ風味満載ですが、内装はかなり「若者風」になっていました。

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3.ご主人の祖母様が生み出した秘伝のソース

「西洋亭 市」のソースカツ丼は、ボクが創案した「ソースカツ丼の分類法」だと、「キャベツが敷かれていない」「煮込んでいない」というタイプです。他の特徴としては、和とも洋ともとれる独自のソースの味と香りなんですよね。

このソースは「祖母様の考案」で、作り方は門外不出! ご主人によれば「他の料理人が厨房にいないときに一人で作っている」のだそうです。

和の風味の正体を尋ねてみたのですが、「新鮮なミカンの皮」や「昆布」など全部で12種類の素材を使っているとのこと。祖母さんの情熱が生んだまさに「秘伝のソース」が今も引き継がれているのです!

テイクアウトも可能。もちろん秘伝のソースもついてきますよ♪