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●椎茸の卵とじ丼と紅ショウガ


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1.椎茸の持つ破壊力と、卵の持つ統率力

肉厚で味わい深くとにかく美味い「土肥の椎茸」。コイツには「七輪で焼いて醤油をたらすだけでご馳走になってしまう」という、飛びぬけたポテンシャルがあるのです。

それを「卵でとじてご飯に乗せる」というのは、言ってみれば「個性的で一匹狼的な椎茸」と「完成された食材であるご飯」とが、卵の持つ「強烈な統率力」によって結び付けられたと言えるのではないでしょうかねぇ。

つまり映画「大脱走」において、リチャード・アッテンボロー演じる「バートレット中隊長」が英国空軍捕虜の脱走チームに、スティーブ・マックイーン演じる一匹狼の米兵「ヒルツ大尉」を取り込んだ、というのと同じことですよね!


大脱走の登場人物と「椎茸の卵とじ丼」の具材との関係は

バートレット中隊長=強烈な統率力⇒卵
ヒルツ大尉=個性的な一匹狼⇒椎茸
英国空軍捕虜脱走チーム=完成された組織⇒ご飯


ということですね♪

土肥の山間部で取れる椎茸の美味さといったら!

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2.紅ショウガについて考える

そしてこのチームに、欠くことができない「名わき役」が「紅ショウガ」なのです。再び「大脱走」に例えると、銃殺されたアイブス中尉役のアンガス・レニーや、独房に入るマックイーンに「グローブとボール」を渡すゴフ中尉役のジャド・テイラーの役どころですよね。

とても大事な役どころだと思うのですが、昨今、紅ショウガが軽率に扱われているんじゃないかって、ボクはたまに思うのです。


大脱走の名わき役と紅ショウガとの関係性は、

アイブス中尉が銃殺される⇒ヒルツ大尉がホンキになる⇒食欲が増す
コブ中尉のひょうきんな存在⇒ドラマに緩急をつける⇒箸休めになる


ということになるわけです。さらに紅ショウガには「色彩」という大切な役割があることも忘れてはなりません。

例えば上の写真の向かって右の丼、鮮やかな黄色と白と茶色の料理が白い丼に盛られていますが紅しょうがは乗っていないんですよ。しかし、もし端のほうにチョコンと紅しょうがが乗っていたら、この丼の色彩は一層引き立つのではないでしょうか?

そして左の丼ですが、端のほうに紅しょうがが盛られていて、丼の赤と紅しょうがの赤とが無配慮に混じり合ってしまっている感じがしませんか? もし紅ショウガが丼の中央にパラパラと散らされていたら、どんなに美しい丼が完成したことでしょうか。

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3.薄っぺらい「お好みでどうぞ文化」なんてぶち壊せ!

上の「紅ショウガが乗っていない方のお店のご主人」は「紅ショウガはお好みでご自由にどうぞ」とおっしゃっていましたが、ボクとしては、「味付け」および「色彩」に対するお店の信念をきちんと主張すべきだと思うのですよねぇ。

伊豆の最高に美味い椎茸と、完成された食材である白いご飯、そしてそれを束ねる新鮮な卵。その中にあって、どのような位置づけを紅ショウガに負わせるべきなのか? それを考えるのは「他でもない料理人なのだ」と思うのです。懲りずに「大脱走」に例えるならば、「脇役をどう配置するか」は監督「ジョン・スタージェス」の仕事であって、決して観客の仕事ではないはずです。

最高の椎茸はここ「グリーンヒル土肥」で入手できます。椎茸の卵とじ丼はこの辺りの結構いろんなお店で食べられますよ。

最近では麺の硬さやスープの濃さを客にゆだねるラーメン屋がメインになってきていますが、なんかいつも疑問に思っちゃうんですよね。シロートのボクの意見なんかより、修行を積んだプロの技を堪能したいんですよ、ボクとしては。

「紅ショウガ問題」もそんな安っぽい「お好みでどうぞ文化」に対する、ヒネクレ者のボクの問題提起なわけです。ま、身近な人に話してもあまり理解してもらえないんですけどwww